高校サッカーで奮闘。社会の厳しさを知る元Jリーガー監督の過酷な現実

就任当初の太田監督は並々ならぬ想いで指導にあたっており、当時を知る指導者からは「ギラギラしていた」との声が多く聞かれた。当たり前のことを当たり前にやる凡事徹底が指導のモットー。できない選手には厳しい言葉をかけて頑張らせてきたが、1期生が在学中に全国大会には出られなかった。
 3年間は満足のいかない結果だったが、苦しんだ経験は指導者としてのプラスとなったのは間違いない。太田監督はこう振り返る。
「当たり前のことができない選手には『ふざんけんじゃねぇ!』とハッパをかけていたけど、それでは選手が伸びない。僕の手を離れてからは苦しむ選手が多く、結果は一目瞭然だった。それで、なぜ今の取り組みが必要なのか、考えて動ける自発性を求めるようになったんです」
 就任5年目の昨年、”谷間の世代”と評されたチームが初の選手権出場をつかんだのは、そうした変化の賜物だったと言えるだろう。
 今年からは選手の自発性を育むための制度作りを本格化させた。山口県の高川学園高校が行なう取り組みをベースにして部内にさまざまな部署を設立し、一人ひとりに役割を与えることで責任を持たせるようにしたのだ。

「おもてなし部」の部員からメニュー表を渡された

 代表的な例が『おもてなし部』。部に訪れた人々をもてなすために部員自らが進んでさまざまなおもてなしを行なう。

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