高校サッカーで奮闘。社会の厳しさを知る元Jリーガー監督の過酷な現実

筆者が取材に訪れた際は、「ドリンクをサービスしています。何を飲まれますか?」とメニュー表を渡され歓迎を受けた。ほかにも『農業部』では、近所の農家の手伝いを行なったりもする。
 一見、サッカーには関係ない取り組みかもしれないが、太田監督は「子どもたちの目配り・気配り・心配りを養いたい。それができてくるとサッカーにも活きてくる。今年のチームはダメな時ほどバラバラになってしまう。そういう時ほど、三つの配りを大事にしてほしい」と話す。
 ギラギラした就任当初の面影は薄れ、今の太田監督は表情も穏やかだ。
「今でも負けず嫌いだから勝ちたいんですけど、押し付けでやっても子どもたちをダメにしてしまう。今までは僕が厳しく指導して、子どもたちを失敗させないようにしてきたけど、結果は出なかった。もし、1期生で選手権に行っていれば気づけなかったかもしれない」
 関西にも、もがきながら指導者としてのキャリアを積んでいる、元Jリーガーの監督がいる。滋賀県の草津東高校を卒業して清水エスパルスに2年間在籍。シンガポールやドイツの下部リーグでもプレーした前田高孝氏だ。
 引退後は関西学院大学に入学し、学生コーチとして指導者のキャリアをスタートさせたが、自身が生まれ育った滋賀県湖北地区に全国で戦えるチームを作りたいと考え、2015年に本格強化を始めた近江高校の監督に就任した。

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