山本尚貴がトロロッソで好走。思い出す30年前の「日本一速い男」の言葉


 2017年のスーパーフォーミュラで山本尚貴のチームメイトを務めた経験のあるピエール・ガスリーが「ナオキがF1を経験してみたいという気持ちは理解できる。だから、彼にこの機会を存分に味わってほしかったんだ」と、快くFP1での走行を譲ったのも、そうした彼の人柄があってのことだと思う。
「F1マシンに1回乗ったから満足できたかというと、時間が経てば経つほど悔しさも湧いてきます。もっと乗れば、タイムを上げられるという手応えを感じましたし、直接的に比較できるのは同じマシンに乗るチームメイトなので、乗ったら負けたくない。ミディアム・タイヤを履いていたダニー・クビアトとコンマ1秒しか違わなかったと言われても、彼がソフトタイヤを履いたらもっといいタイムが出ていたはず。次の機会があったら、彼にもっとライバル心を持ってもらえる走りをしたい」
 こう語る山本の言葉や表情からは、長い間、夢に抱いてきたF1マシンを、鈴鹿の大観衆の前でドライブしたことへの喜びや興奮だけでなく、この経験によって新たな「火」がついたレーシングドライバーとしての「闘志」や「自信」、そして悔しさがハッキリと伝わってきた。
 正直に白状しよう。彼のことをよく知る人には「何を今さら…」と笑われるかもしれないが、限られた時間とはいえ、今回初めて山本尚貴というドライバーに接し、その言葉や人柄に触れた筆者は、一発で彼の「ファン」になってしまった。

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