平尾誠二が描いたグローバル化。日本ラグビーの進む道と可能性を見た

SH(スクラムハーフ)の流大が説明した。
「相手を背走させて、空中でコリージョン(衝突)を起こして、カオス(混沌)をつくるつもりでした」
 でも、とため息をついた。
「セットピースを含めて、本当に相手のプレッシャーがすごくて。これまで感じたことがないくらいの一番の強さだったと思います」
 日本の躍進を支えてきたのが、安定したスクラム、ラインアウトのセットピースだった。素早く組織だったディフェンスだった。だが、先発FW(フォワード)の平均身長192cm、116kg(日本は188cm、109kg)とデカい南アの威力は凄まじかった。肝心なセットピースでやられた。
 前半序盤のファーストスクラムだった。自陣中盤の相手ボール。組み負けた。日本FWの8人のからだが少し退がる。ずるずると押し込まれ、SHファフ・デクラークにブラインドサイドを走られた。SO田村優が快足WTB(ウイング)のマカゾレ・マピンピにはじき飛ばされ、そのまま先制トライを許した。
 このスクラム。左PRの稲垣も、右PRの具智元もレフリーの指示のコールが大歓声で聞こえなかった、と振り返った。具が言った。
「あの時、”セット”のコールがまったく聞こえなくて…。組み直しかと思ったら、そのまま(レフリーに)流されて…。相手のヒットスピードがはやくて受けてしまった」
 ただ、その後、日本FWは踏ん張った。

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