中村俊輔が743日ぶりのゴール。ベンチ外の観察で「答え」を見つけた

しかし、自身のキャリアで初めてJ2でプレーすることになった、横浜FCでも葛藤の日々を過ごすことになった。
 シーズン途中の移籍でチームの戦術はすでに固まっており、本来得意とするボールキープと多彩なパスでゲームコントロールする「トップ下」ではなく、周囲にシンプルにパスを供給する「ボランチ」を任されたこともあって、「中村俊輔らしさ」は思うように発揮できずにいた。
「チームとしての戦術があるので、それに対して自分をどう落とし込むか。その作業をした上で、自分のよさをどう出すか。ずっとそれで格闘していた」
 中村は、この日まで5試合連続でピッチに立てず、直近2試合ではベンチからも外れていた。しかし、その間に横浜FCという新たなチームを客観的に掴み、自らをフィットさせる術を見出していた。
「ベンチから外れたメンバーでやった練習がすごく役立った。横浜FCのボランチは特徴的で通常とは少し違う。ひとりは下がり、ひとりは真ん中。それになかなか合わせにくかったのが、練習でフリーマンとかをやらせてもらったことで、どこでターンすればいいとか、(下平隆宏)監督が考えるボランチ像が、だんだんと体に染みついてきた。
『自分のプレーはこうだから』という考え方ではなく、色を変えて、照らし合わせて何ができるか。それはベンチメンバー外になったからわかったこと。(スタンドから横浜FCの)試合を見ると『あそこは、ああしたほうがいいんじゃないか』ということも見えてくる」
 そして、中村は今後についてこう続けた。

関連記事(外部サイト)