U−17日本代表、西川潤の「株」が上昇中。勝ち上がれば高騰の予感


 技術に優れる西川は、周囲と連係しながらボールを前へと運び、自らもフィニッシュに絡むことができる。巧みに左足を操るレフティーは、出場から10分足らずで、立て続けに2度の決定機を作り出した。
 そうして迎えた83分、”その瞬間”はやってきた。
 MF藤田譲瑠チマからの縦パスを受けた西川は、ドリブルでペナルティーエリアに進入。冷静にGKの動きを見極め、左足を振り抜いた。ボールは芝の上を滑るようにゴールへ向かうと、GKの右足とゴールポストのわずかな隙間をすり抜け、ゴールネットを軽やかに揺らした。殊勲の背番号10が語る。
「トラップがうまくいって、(前を向いたら)GKが出てこなかったので、ニアを狙って蹴った。チームの勝利に貢献したいと思っていたので、決められてよかった」
 実は試合前、西川は森山監督から「後半開始から行くと言われていた」という。
 ところが、田中が前半で負傷交代したことで、「プランが狂った」(森山監督)。グループリーグ初戦では、3人の交代カードを使い切ったあとに、複数の選手の足がつってしまうという事態を招いたこともあり、本来は思い切りのいい指揮官も、さすがに西川投入をためらわざるを得なくなった。
 だが、スコアレスのまま動かない試合を見て、森山監督は腹をくくった。
 もちろん、送り出された西川も、セネガルの猛攻に耐えるチームメイトの姿を目にし、期するものがあった。

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