大村巌の若手育成術は「諭して褒める」。怒るや叱るはコーチの感情だ



「アマチュアではずっと4番で、バントなんかやったことない選手が入ってくる。でも、その選手がプロでは1番とか7番を打つことがあるわけです。そうしたら『やっぱりバント練習もやろう。プロの世界では必要だから』って教えることになる。『ゲームで必要になるときがあるからやってくれ』と。その上で、『フリーに打つ時のために、おまえのバッティングをつくっていこう』って言いますね」

 大半の新人選手にはコーチングとティーチングの両方が不可欠であって、丁寧な説明とともにモチベーションを保つための言葉も大事になる。そう考える大村は、コーチとしての自分に対する周りの目も意識する。新人の目はもとより、今回のように自身が新しいチームに迎えられたときも同様だ。

「一歩、グラウンドに入った時、自分がどう見られているか。話しやすそうなのか、ちゃんと話を聞いてくれそうなのか。あるいは、ほしいアドバイスはこの人に聞いたらもらえるのか……とか。これはいつも気になります。要は、話しやすい印象を与えているかなんですけど、いざ話す時には、僕の経験などを伝えながら、逆に『今、何が流行ってんだ?』って聞く時もあります。わからないですからね。なるべく選手と近い言葉を使ったりしています」
 そんな大村にとって、コーチとして手応えを感じるのはどういう時なのか。

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