大村巌の若手育成術は「諭して褒める」。怒るや叱るはコーチの感情だ

10年、20年、ずっと改善してほしいと思う大村は怒らない。これまで、怠慢で犯したミスに対して1、2回、ポーズで怒鳴ったことはあったが、若ければ若いほど「ビクッとするだけ」とわかってから一切やめた。

「日本ハムの時、まだ現役だった金子誠から言われました。『大村さん、怒ったことあるんですか?』って聞かれたので、『ないな』って答えました。ガーッて腹が立つかもしれないけど、相手に『腹立ってます』って伝えたところで、どうにもならないから。そりゃ、試合でね、インコースにバーンと際どいところにきたらガーッて怒ったことありますけど、指導のなかではないですね。自分が疲れてきますから。それよりも、ちゃんと、本当によくなってほしい」
 よくなってほしいがために、結果を出した選手はすぐに褒めることにしている。それも思い切り褒めちぎる。

「若手はそこでゴールじゃないんで、引き締めなきゃいけないんですけど、僕はそこは締めないんです。ものすごく喜んで『ああ、すばらしいね』って。翌日も『ああ、すばらしいね』と(笑)。選手によっては『いいか、ここからスタートだぞ』って言う時もありますよ。でも、だいたいは褒めちゃいますね」

つづく

(=敬称略)

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