岡本和真が秘めていた究極の打者像。高校では本塁打への執着を捨てていた

レギュラーになれたら、3割とコンスタントに20本塁打以上を打てるように。そこまでいけたら、またそのあとですね」

 そう言えば、高校時代、中村のほかにもうひとり岡本がよく口にする打者がいた。MLBが誇るスラッガーのミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)だ。今シーズン終了時点で、通算477本塁打、1694打点を挙げ、打率も3割1分5厘。首位打者4回、本塁打王2回、打点王2回を獲得し、2012年には三冠王にも輝いたメジャー屈指の強打者である。

 ある時、岡本に野球人としての展望を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「すぐに消えるバッターじゃなく、日本、そして世界の人にも名前を知ってもらえるバッターになりたいです」

 突然、「世界の人にも……」と言うのでその理由を聞くと、岡本はこう言った。
「小さい頃から将来の目標はプロ野球選手で、夢はメジャーリーガー。今もそこは変わらず持っているんです。やっぱり野球の本場ですから、そこでやってみたい思いはあります。ピッチャーもすごいでしょうけど、そこで打てる選手になりたいんです」

 その話の流れで、カブレラへの憧れ、バッティングの魅力、打球の迫力について熱っぽく語ってきたのだ。カブレラは世界最高峰の舞台で、長きにわたり打撃3部門で成績を残してきた究極の打者と言える。同じ右打者で、岡本にとってはさぞ眩しい存在だったのだろう。

 カブレラが三冠王を獲得したのは29歳の時。はたして、岡本が29歳になる6年後、どんなバッターになっているのか。堂々と「三冠王を狙います」と言える打者になっていてほしいと切に願う。

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