「怪物くん」明神智和に見るサッカーの本質とプロという仕事

ただ、サッカーの本質は、そこにはなかったということだと思います。

 事実、この一年、同じチームで一緒に仕事をするようになってからの振る舞い、練習態度を見ていても、彼はどんな状況に置かれても、絶対に手を抜くことはありませんでした。勝っても、負けても、同じようにしっかりと準備をし、41歳になった今シーズンも、練習はフルメニューでやりきっていた。
 今日の試合も、気を遣って出したわけではなく、勝ちたいと思って、明神を先発メンバーに選びました。そういった彼の姿から、またこれまで歩んできたキャリアから、僕自身もプロとしてあるべき姿を学ばせてもらった。日本のサッカー界にとってもスペシャルな選手だったと思います」

 そうして、最後の最後まで、プロサッカー選手として戦い抜いた明神に、ラストマッチの翌日。あらためて、尋ねてみる。

――これからは、試合後のケアもしなくていいし、次の練習、試合に向けた準備をしなくていい毎日が続いていく。寂しさはないですか?

 その返答に、彼のこの24年の戦いが透けて見えた。

「昨日の試合を終えて、久しぶりの試合だったからか、体がめちゃめちゃ筋肉痛で(笑)。でも、その痛みを感じながら思ったんです。『もう、体をケアする必要も、練習に向けた準備をする必要もなくなるんだな』って。

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