「怪物くん」明神智和に見るサッカーの本質とプロという仕事

自分で言うのも何ですが、おそらく僕は、この現役生活のなかで、Jリーガーの中で1、2位を争うくらい、体に湿布を貼ってきたと思うんです。寝るときも、移動のときも。シーズン前のキャンプになると、とくに念入りに(笑)。

 また、栄養的に正しいのかはわからないけど、これまで毎日、晩御飯では必ず、お米を1合食べるようにしてきました。でも、『もう1合も無理して食べなくていいんだな』とか、『食べるものに気を遣わなくてよくなるんだな』とか、『湿布を貼って寝なくてもいいんだな』と思った時に、『ああ、引退するんだ』と実感したし、その事実を寂しく思う自分も確かにいます。

 だって、こんなすばらしい職業はないですから。いつまでも現役選手でいられるなら……60歳、70歳になってもサッカー選手でいたい。でも、やりたいだけじゃできない世界だし、やりたいだけでいたらいけない世界だから、引退なんです」

 そう話す彼に、かつてのチームメイトが話していた言葉が重なり合う。あの時も、この時も――。きっと彼はたくさんの湿布を貼って、ピッチに立っていたのだ、と。
「ACLで遠征した際に、宿泊したホテルの食事環境があまりよくなくて。みんなが食べられないだの、美味しくないだの、言っている時に、パッとミョウさんのほうを見たら、皿ごと食べる気ちゃうかってくらい、黙々と料理に食らいついていました」――2008年、安田理大(現ジェフ千葉)談

「ミョウさんが腰に手を当てて、肩で息をし始めたら気をつけて。

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