目標を失い、引退の不安もあった白鵬がモチベーションを回復したわけ



 迎えた千秋楽。1敗で追う逸ノ城が迫っていましたが、私が結びの一番で鶴竜を破れば、通算42回目の優勝を決めることができます。

 ゆえに、私の中では「この一番で決める!」――そんな気迫がみなぎっていました。

 私もすでに34歳。体力的にも、優勝決定戦まで持ち込みたくない、という気持ちも少なからずありました。

 とはいえ、鶴竜との大一番は簡単には決着がつきませんでした。互いに譲らず、1分を越える熱戦となりました。そして、最後は私が下手投げで勝利。全勝で、場所前に掲げた目標を達成することができました。

 ただ、この一番で、私は右上腕を痛めてしまったのです。その瞬間、「あっ(筋が)切れたな」と、すぐにわかりました。

 強烈な痛みに襲われるなか、私は支度部屋に戻って、すぐさま患部をアイシング。何とか痛みを抑えようと試みました。しかし、その痛みは容易に収まるものではなく、脂汗が浮き出るなか、表彰式に臨みました。おかげで、天皇賜杯など、ひとりで受け取ることができませんでした。
 何としても勝ちたい、という気持ちが強すぎたんでしょうね。結果、この一番の代償は、かなり大きなものになってしまいました。

 元号が「令和」に変わって、初めての本場所となる夏場所(5月場所)。

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