目標を失い、引退の不安もあった白鵬がモチベーションを回復したわけ



 2017年春場所、初土俵を踏んだ炎鵬。体重100kgに満たない体で奮闘し、わずか2年で幕内力士になりました。新入幕となった合宿前の夏場所では、6日目を終えて5勝1敗と、”小兵旋風”を巻き起こして、脚光を浴びました。

 けれども、後半戦に入ると、軽量のために息切れ。10日目から6連敗を喫して、まさかの負け越しという結果に終わってしまったのです。本人は、相当悔しかったと思います。

 千秋楽の取組を終えて部屋に戻ってきた炎鵬に対して、私はこう激を飛ばしました。

「幕内の土俵は甘くないだろ? 来場所で勝ち越すために、一緒に死ぬ気でがんばろう。もしおまえが負け越したら、オレは引退するから」

 最後のひと言は、炎鵬に、あえてかけたプレッシャーでした。
 そうして臨んだ長浜合宿。私は合宿初日から、炎鵬にガンガン稽古をつけました。炎鵬は泥だらけになりながらも、力を振り絞って立ち上がり、私に何度も、何度も向かってきます。幕内最軽量の炎鵬ですが、ガッツという点では、幕内トップクラスではないでしょうか。

 そんな厳しい合宿を経て、挑んだ名古屋場所(7月場所)。炎鵬は、14日目に見事勝ち越しを決めました。私も復帰場所で12勝を挙げて、まずまずの成績を収めることができました。

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