「絵の見方がわからない人」が知らない真実

「絵の見方がわからない人」が知らない真実

正しい絵画の「見方」とは?(写真:mimica/PIXTA)

絵の鑑賞はその前で思いを巡らすことが大事という。『感性は感動しない』を書いた多摩美術大学美術学部の椹木野衣教授にその理由を聞いた。

■絵は好きなように見ればいい

──本と同じタイトルの、冒頭にあるエッセーが25校以上の大学入試で出題されましたね。

皮肉な話だ。なぜそれだけ多く採用されたのか。どのような理由なのかよくわからない。月刊誌の編集部がその試験問題を解く場を僕に与えてくれて、編集者が予備校の正解に基づき採点したら、50点近くにしかならなかった。受験テクニックに沿えばそういう正解が出てくるのだろうが、自分の書いた文章の問いにその程度しか答えられない。逆に筆者側が正解と言ってもそれに限らないわけだ。

──既存の美術ジャンルを破壊する批評スタイルで知られます。

美術は日本で学習科目の中に入っているが、絵を教育するのは難しい。算数や社会といった教科なら問いがあり答えがある。公式や事件の起きた年号での正解、不正解で点数化ができる。絵はそれがない。でも、学校教育に従って絵を考えると、正しい絵の見方があるのではないかと思ってしまう。

──正しい見方はないと。

絵は好きなように見ればいい。何か気になる、もうちょっと見たいなと思わせる絵こそ、その人にとって意味がある。

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