愚かな人類が滅んでいないたった1つの理由

愚かな人類が滅んでいないたった1つの理由

さんざん愚行を繰り返しても、人類は今日現在もこの地球上で変わらず生きています(写真:imaginima/iStock)

僕はずっと長い間、東洋史とか西洋史といった区別のないすべての世界の歴史=「全世界史」を書きたいという夢を持っていました。拙著『全世界史』では、20万年に及ぶ人類全体の歴史のなかの5000年くらいの歴史を語っていますが、それはおよそ5000年前からならば文字資料が残っているからです。

■歴史を学ぶ意味

絵や考古学的遺品を基に考えると類推に頼ってしまう可能性を排除できないのですが、文字が伝える情報量はそれらと比べると情報量が圧倒的に豊富で、類推の余地の少ないファクトとしての価値が高いと考えられます。文字を基本にして歴史を考えるということは、とても意義深いのです。

現代を生きるビジネスパーソンには、「昔の歴史なんて興味がない」「現代史こそが大切だ」と言う人もいます。しかし、僕はこう考えます。人間が赤ちゃんから急に大人になるわけではないのと同じで、時代も一足飛びに「現代」になったわけではありません。積み重ねられた歴史を学んで初めて、僕たちは立派な「現代」をつくれるのではないでしょうか。

「本書はハリカルナッソス出身のヘロドトスが、人間界の出来事が時の移ろうとともに忘れ去られ、ギリシア人や異邦人(バルバロイ)の果した偉大な驚嘆すべき事蹟の数々──とりわけて両者がいかなる原因から戦いを交えるに至ったかの事情──も、やがて世の人に知られなくなるのを恐れて、自ら研究調査したところを書き述べたものである」(『歴史(上)』松平千秋訳、岩波文庫)

これは古代ギリシアの歴史家ヘロドトスの書いた文章ですが、大意は「人間はどうしようもない愚かな動物で、同じ失敗を繰り返している。

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