SNSがトランプ危機を引き起こしたカラクリ
2021年04月07日 10時30分 東洋経済オンライン
今年1月6日の連邦議会占拠事件にまで拡大したトランプ氏支持者の暴走。陰謀論などの舞台となったSNS(交流サイト)への批判は鳴り止まないが、具体的に何が問題だったのかーー。
1999年に出版した著書『CODE』において、インターネットは著作権の過大な保護のみならず、表現の自由やプライバシー、民主主義システムの維持にも危機をもたらしかねないといち早く警鐘を鳴らしたローレンス・レッシグ=アメリカ・ハーバード大学教授。SNSの構造問題を解き明かし、その対処法について話してもらった。
■ネット広告のビジネスモデルが諸悪の根源
――あなたが21年前に執筆した著書『CODE』は大変予言的でした。まるでプライバシーや表現の自由をめぐる今日の混沌ぶりを見抜いていたかのようです。トランプ大統領時代の混乱や危機は想定の範囲内でしたか。
もちろんずっと悪いですね。『CODE』ではインターネットの設計思想と規制の関係を論じましたが、今の本当の問題は、プラットフォーマーがビジネスモデルとして広告を取り入れていることにあります。
広告は、ユーザー1人ひとりを深く理解することで成り立っています。つまり、多くの個人データを収集することが彼らの商売なのです。そしてデータを収集すると、ユーザーを煽り、熱狂的にさせてさらに多くのデータを出させる方法を学んでいます。