「成長するアジア」と日本はどう向き合うべきか

「成長するアジア」と日本はどう向き合うべきか

フィリピン・マニラ市にあるアジア開発銀行本部と中尾武彦総裁(当時)(写真:ADB)

グローバル化の進展によってアジアの成長が著しいなか、国際協力のあり方はどう変化しているのか。また、中国をはじめとするアジア諸国とどう向き合っていくべきか。

前回に続き、『国際協力の戦後史』の編者である上智大学教授の宮城大蔵氏が、アジア開発銀行総裁などの要職を歴任し、日本の国際協力をリードしてきた中尾武彦氏にインタビューをして話を訊いた。

■中国の台頭をどう捉えるべきか

宮城:これからの日本を考えると、発展が著しいアジアとの関係をどのように展望するかが大きな課題だと思います。中でも中国とは経済関係が深まる一方で、政治や安全保障の面では難しい問題も少なからずあります。

前回は、中国の「一帯一路」に対して、やみくもに量で対抗するといった発想は適当ではないというお話もありました。中国とどう向き合っていけばよいのか、どのようにお考えになりますか。

中尾:中国の拡張主義的な行動に対しては、安全保障面ではバランスをとる勢力均衡的な対応も必要だと思います。最近のバイデン大統領の演説でも強調している点ですが、いわば平和を守るために現状変更は認めないという立場を明確にする、そのための備えもするということです。ただ他方で、中国に関わるすべてのことについて、対抗的な言葉や発想を打ち出すことはどうかな、とも思います。

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