刑事責任あいまいに?問題含み「略式起訴」の実態

刑事責任あいまいに?問題含み「略式起訴」の実態

公職選挙法違反の罪で略式起訴された菅原一秀前経済産業省(写真:ロイター/アフロ)

菅原一秀・前経済産業相が地元で香典など総額80万円相当を渡したとされる公職選挙法違反の事件で、東京地検特捜部は6月8日、菅原氏を略式起訴した。報道によると、東京簡易裁判所は、6月16日付けで、罰金40万円、公民権停止は3年とする略式命令を出したとされている。

この事件で検察は当初、菅原氏を不起訴(起訴猶予)にしたが、検察審査会の「起訴相当」議決を受けて再捜査した結果、刑事事件として処罰することにしたようである。しかし、検察官は通常の刑事裁判ではなく「略式起訴」「略式命令」という簡易な手続き(略式手続)を求めた。

検察と裁判所の対応については、賛否両論あるだろうが、そもそも「略式起訴」「略式命令」とは何か、なぜ存在するのか、ご存じだろうか。法的な観点からその基本と問題点を確認しておきたい。

■略式命令が認められる条件とは

まず大原則として、刑事裁判は公開の法廷で、法律で決められた手続きにのっとって行わなければならない。憲法37条1項は「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する」と定めている。

一般にイメージされている刑事裁判は、まさにこのような手続きだろう。傍聴人が自由に傍聴できる状態で、検察官と弁護人が、双方の主張を戦わせて、証人を尋問したり、その他の証拠を調べたりして、最終的に裁判官(裁判員裁判の場合は、裁判官と裁判員)が判断をする。

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