「同質集団」CIAによって見逃された9.11の兆候

「同質集団」CIAによって見逃された9.11の兆候

組織にはなぜ「多様性」が必要なのでしょうか(写真:metamorworks/PIXTA)

約3000人が死亡したアメリカ同時多発テロから9月で20年になります。

この史上最悪のテロを、何万人もの人員と何兆円もの資金を誇るアメリカの情報機関は防ぐことができなかったのか──。こうした批判の目は、事件後とりわけCIAに向けられました。実際、複数のテロの「兆候」があったにもかかわらず、アメリカの情報機関は潜入捜査などを開始していませんでした。

このCIAが犯した「史上最大級の失敗」の原因の1つに、「組織の多様性のなさ」を挙げる声があります。

新著『多様性の科学』では、CIAやGoogleなどのグローバル企業などの事例をとり、同じ特徴の者ばかりを集めた多様性に欠けるチームでは、致命的な失敗を未然に見つけ高いパフォーマンスを発揮することはできない、と説いています。

前回に引き続き、同書より一部を抜粋・編集しお届けします。

■多様性が皆無だった当時のCIA

9.11のテロ攻撃による悲劇は本来なら回避可能だった。この点について、アメリカの情報機関に対する批判は正しい。しかしCIAが危険な兆候を見逃したのが原因だと言うのはどうだろう? そうした批判は「後知恵バイアス」(前回記事参照)の影響に惑わされている。

CIAにとって、危険な兆候は明らかではなかった。

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