「いざとなったら残業」の考えが人を無能にする訳

「いざとなったら残業」の考えが人を無能にする訳

とある建設業でのアンケートで「長時間働く人は、あなたにとってどういう人ですか」という質問に対し、「忙しいことはいいことだ」というように、ポジティブな意見が多く見られたという(写真:8x10/PIXTA)

ハーバード・ビジネススクールのアシスタントプロフェッサーにして、心理学者のアシュリー・ウィランズが書いた『TIME SMART(タイム・スマート)』。効率性一辺倒ではない、異色の時間術の本だ。「お金より時間が大事」「生産性向上はタイム・リッチ(時間的に裕福な状態)から」「まず、健康で幸福な生活を送る、その後、生産性・創造性が上がる」と説く。もちろん、心理学者だから、科学的な調査、統計データでその主張を裏付ける。
実際のビジネスの現場では、従業員の時間を守るためにどのような取り組みがなされているのだろうか。2012年より株式会社ワーク・ライフバランスのコンサルタントとして、さまざまな企業の働き方改革を支援してきた堀江咲智子氏が解き明かす。

■根強く残る「長時間労働は美徳」という価値観

多くのビジネスパーソンにとって、『タイム・スマート』に記されているいくつもの「タイム・トラップ」、時間貧乏を引き起こす「罠」は大いに思い当たる節があるのではないでしょうか。

デジタルツールが進化してコミュニケーションが取りやすくなったり、どこでもアクセスできるようになったりといった利便性は高まりましたが、集中しているときにメールやチャットツールの通知が届いて、時間が分断されてしまう。仕事でもプライベートでも、自分で時間をコントロールしていく重要性は、今後もますます高まっていくでしょう。

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