台湾の在日本代表に対する情報工作に中国の影

台湾の在日本代表に対する情報工作に中国の影

2021年4月、成田国際空港で台湾から日本に寄贈されたマスクが入った航空貨物の前に立つ台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)の謝長廷代表(中)(写真・時事)

9月6日、台湾大使に当たる台北駐日経済文化代表処代表の謝長廷氏が、自身のソーシャルメディア(SNS)ページに投稿した内容が、台湾社会でさまざまな議論を呼んでいる。しかし、よくよく分析してみると日本にとっても他人事ではなく、中台戦争の最前線にいることを暗示したものだ。

■「警察に圧力をかけた」とのSNS投稿が発端

9月4日にフォロワー数2.1万人のライター・條子鴿氏(條子は中国語で警察の隠語でサツに相当、鴿はハトの中国語で台湾警察のシンボルを表す)が、自身のSNSで警官時代の思い出話として、謝代表とその子どもを示唆する内容を投稿した。いわく、信号無視の車を止めて違反キップを切ろうとしたら、運転手に「俺の親父が誰か知っているのか?」と脅されたという。

その後、威嚇されながらも職務を淡々とこなしていたら、しばらくして副支局長から、「さっき高級車の違反キップを切ったのかね?」「彼の親が行政院長(首相に相当)だと知ってのことかね?」と問われ、後日、訓告の処分を受けたという。そして、投稿は「訓告が懐かしい。遠い日本の謝さんに、この思いが届くだろうか」と結んでいる。

作家でインフルエンサーの投稿は、瞬く間に台湾の各メディアで取り上げられた。しかし、同時にネット民やメディアでもさまざまな検証がなされた。

まず、謝代表が行政院長の職にあったのは、2005年2月から2006年1月で、條子鴿氏と思われる人物が台北市警に異動したのは2007年。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)