日本人が知らない「デジタル人民元」発行の狙い

日本人が知らない「デジタル人民元」発行の狙い

2022年2月の北京冬季五輪での世界へのお披露目に向け、「デジタル人民元」の発行準備を着々と進めている中国(写真:Ushico/PIXTA)

東京五輪が幕を閉じた。次の五輪はもうすぐで半年後の2022年2月に北京冬季五輪が開催される。この北京冬季五輪で中国が世界にお披露目することを目指し発行準備を着々と進めているのが「デジタル人民元」である。
このたび『決定版デジタル人民元』を上梓した木内登英氏が、日本人の知らない「デジタル人民元」発行を急ぐ中国の狙いを解説する。

■北京五輪でお披露目「デジタル人民元」

2022年2月の北京冬季五輪で世界にお披露目することを目指し、中国は「デジタル人民元」の発行準備を着々と進めています。主要国では初めての中銀デジタル通貨、つまりデジタル形式での法定通貨の発行です。

ところが、その具体的な仕組みや発行の狙いなどについては、依然として謎の部分が多くあります。

中国がそれらを明らかにしないのは、デジタル人民元が国家戦略と深く関わっているからにほかなりません。デジタル人民元の開発が、米中対立が激しさを増し、新冷戦構造ともいえる状況に陥っていることと同時に進んできたのは、決して偶然ではありません。

デジタル人民元はまさに米中対立の産物であり、また、アメリカの通貨・金融覇権に挑戦する中国の切り札でもあるのです。

今回は、そんな「デジタル人民元」発行を目指す中国の狙いを明らかにします。

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