スポーツ「勝利至上」の人に伝えたい不都合な真実

スポーツ「勝利至上」の人に伝えたい不都合な真実

「スコアボード上の勝利」だけを重視することの弊害について解説します(写真:m.Taira/PIXTA)

スポーツでは「勝つこと」を重視しがちですが、「優れたアスリートの多くは相手に勝つことよりも自分のパフォーマンスの改善を重視することがわかってきている」と言うのが、スタンフォード大学アスレチック・デパートメント(スポーツ部を統括する独立部署)に設置された非営利組織「ポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)」の創始者であるジム・トンプソン氏です。

子どもたちのスポーツ体験をより豊かにするために、コーチや保護者はどう指導すればよいのでしょうか。トンプソン氏が解説します。

※本稿はトンプソン氏の新著『ダブル・ゴール・コーチ』から一部抜粋・再構成したものです。

■「勝者」の伝統的な定義

私たちの社会は、勝利に高い価値を置いているが、何をすれば勝者になれるのだろうか。また、人生の勝者になるような大人に育てるためには、子どもにどのようなユーススポーツ体験をさせてあげればいいのだろうか。

ここでは2種類の勝者に分けて考えてみる。「スコアボード上の勝者」と「熟達(マスタリー)の勝者」である。勝者の伝統的な定義は、「スコアボード上、最もよい結果を出した人またはチーム」である。試合で、あるチームがあらゆる面で相手チームに押されていたとしても、最終的にスコアボードにより高いスコアが表示されたら勝者になるのである。

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