中国史とつなげて学ぶと日本史の常識が覆る理由

中国史とつなげて学ぶと日本史の常識が覆る理由

近年、グローバル・ヒストリーの観点から、環境や気候が歴史学の研究対象となり関心が高まっている(写真:Ystudio/PIXTA)

現代の地球温暖化は人類が直面する重大問題となっている。では、過去の歴史において、気候変動はどう影響したのか。『中国史とつなげて学ぶ日本全史』を上梓した京都府立大学・岡本隆司氏が、気候変動と日本史の関係について、さらには気候変動、人口動態、経済ネットワークなどアジア史の視点から日本史を捉えることの意義を解き明かす。

■気候変動と日本史の関係

過去の日本史において、温暖化・気候変動ということばや課題が、現代ほど身近にあったとは思えません。それでも気候変動の実体が、歴史上なかったはずはないでしょう。あったとすれば、どのような影響を及ぼしていたのでしょうか。

なかでも、われわれの来し方・日本史でどうだったのか、実はあまりよくわかっていないように思うのは、筆者だけでしょうか。近年はいわゆるグローバル・ヒストリーの観点から、環境や気候が歴史学の研究対象となり、関心も集まってきました。それでもまだ検討は緒に就いたばかり、体系的な史実の理解・叙述には至っていません。

そもそも史実に影響を及ぼす地球規模の気候変動は、日本の歴史だけをみていますと、わかりづらいように感じます。

日本列島は温暖湿潤で、すぐれて農耕に適した生態環境です。住民の社会的な分業は種々あったにせよ、その主たる生業が農業生産だったことは疑えません。

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