米中対立を「中立的サプライチェーン」で生き残る

米中対立を「中立的サプライチェーン」で生き残る

激化するアメリカと中国の対立の中で、日本の課題となる「デカップリング」下におけるサプライチェーンの今後のあり方について考える(写真:MatsuP/PIXTA)

米中対立の激化に伴い、「西太平洋」地域をめぐる安全保障情勢が喧しくなってきている。

このような状況下で上梓された『西太平洋連合のすすめ 日本の「新しい地政学」』(北岡伸一編)では、「米中対立」時代に日本が生き残る道として、日本、東南アジア諸国、オーストラリア、ニュージーランド、太平洋島嶼国などによる「柔らかな民主主義の連合体」として「西太平洋連合」構想を提示している。

本稿では同書でベトナムと同構想について論じた池部亮氏が、ベトナム、そして日本にとっても喫緊の課題である「デカップリング」下におけるサプライチェーンの今後のあり方について論じる。

■関税合戦のゆくえ

2018年頃から米中対立が先鋭化し、アメリカが中国に対して制裁関税を課し、中国は報復関税でこれに応酬した。アメリカが第一弾、第二弾と制裁関税の対象品目を順次拡大するなか、中国はやられた分だけやり返す戦略で淡々と報復を重ねていった。貿易戦争とまで呼ばれた米中間の激しい関税合戦は両国貿易協議によって2020年1月に「第一段階の合意」に達し、これ以上の悪化はひとまず回避されたのであった。

バイデン政権となった現在、第一段階の合意の積み残し事項の米中協議の再開が報じられるが、双方が高い関税を課す状態は依然続いている。

両国が高関税をかけ合う状態が続くと、アメリカ市場では中国からの輸入品に25%もの制裁関税が課されるので中国製品の末端価格は上昇せざるをえない。

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