ミンダナオ和平の現場から考える「西太平洋連合」

ミンダナオ和平の現場から考える「西太平洋連合」

日本が過去20年近くにわたってかかわったミンダナオ和平について、落合直之氏が語る(写真:gionnixxx/iStock)

米中対立の激化に伴い、「西太平洋」地域をめぐる安全保障情勢が喧しくなってきている。
このような状況下で上梓された『西太平洋連合のすすめ:日本の「新しい地政学」』(北岡伸一編)では、「米中対立」時代に日本が生き残る道として、日本、東南アジア諸国、オーストラリア、ニュージーランド、太平洋島嶼国などによる「柔らかな民主主義の連合体」として「西太平洋連合」構想を提示している。
本稿では、現在もバンサモロ暫定自治政府首相アドバイザーとしてミンダナオ和平に深くかかわっている落合直之氏と、同書でフィリピンと同構想について論じた高木佑輔氏が、国際協力の視点から語り合う全3回対談の第1回をお届けする。

■ミンダナオ和平協力の現場から考える

高木:本書『西太平洋連合のすすめ:日本の「新しい地政学」』の中で、私は「西太平洋連合とフィリピンの地域主義外交」を担当しました。

この中で、フィリピンが西太平洋連合のような枠組みに参加するきっかけは2つあると指摘しました。

1つは、これまで培ってきた日比間の良好な2国間関係を軸としながら、多国間協力の枠組みに広げていくことです。

もう1つはフィリピンからの視点です。そもそもフィリピンは、必ずしもASEAN外交に積極的ではありませんでした。

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