「6歳から投票を」が冗談と片付けられない理由

「6歳から投票を」が冗談と片付けられない理由

未来の世代の声を反映しないと、社会契約は未来を見届けることのない者によってのみ設計されてしまいます(写真:Rhetorica/PIXTA)

男女格差、不平等、環境問題……。私たちの社会は今、さまざまな問題を抱えており、人々は自らの無力さにさいなまれている。若者たちは低収入に苦しみ、地球温暖化などの前の世代が残してきた負の遺産に対して、怒りを覚えている。
世界が注目する経済学者のミノーシュ・シャフィクは、人生にもっとも大きな影響を与えるのは、「社会契約」だという。私たち人間がつくった社会契約は、私たち人間がつくりかえることができるはずだ。今回、『21世紀の社会契約』から、一部抜粋・編集のうえ、お届けする。

今の豊かな生活は先祖のおかげ?考えてみよう。あなたは今この世界で平均的な収入を得るのと、まったく同じ収入を中世の世界で得て、裕福な地主のような暮らしをするのと、どちらを望むだろうか?

こうした選択肢を示すと、おおかたの人は過去ではなく現在のほうを選ぶ。なぜか? たとえ平均的な収入しか得られなくても、現代の生活には──医療や社会的自由や屋内のトイレや携帯電話に至るまで──たくさんの恩恵や快適さがあり、それは、土地や農奴を所有することで得られるいかなる利益をも凌駕するからだ。

これは、世代を超える社会契約が成功してきたことの証だ。簡単に言えば、おおかたの人々は遠い先祖よりもいい生活をしている。じっさい、人がどの時代に(そしてどの地域で)生まれたかというのはおそらく、その人が享受することになる生活水準や手にするチャンスを決定する最大の要因なのだ。

こうして人類は時とともに成功を手にしてきたにもかかわらず、現代の多くの国の若者は自分が受け継ごうとしている世界に怒りを感じており、進歩の必然を承服できずにいる。この怒りには、2つの局面がある。

続きは 東洋経済オンライン で

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