山梨にある「世界最古の温泉旅館」知られざる秘密

山梨にある「世界最古の温泉旅館」知られざる秘密

世界最古の温泉旅館としてギネスにも認定されている西山温泉慶雲館。これまで幾多の危機を乗り越えてきたその歩みとは(写真:8x10/PIXTA)

観光業にとって、コロナ禍は大きな痛手となった。コロナ以前にはインバウンドとうたわれた外国人観光客の大量訪日は今もなく、観光業は依然厳しい戦いを強いられている。

それは伝統ある老舗企業も例外ではない。世界最古の温泉旅館としてギネスにも認定されている西山温泉慶雲館も例外ではない。しかし川野社長の顔には自信すら浮かぶ。なぜか。これまで幾多の危機を乗り越えてきた歴史ゆえだろう。新刊『何があっても潰れない会社』から抜粋し、西山温泉慶雲館の歩みを紹介する。

藤原氏に発見され「湯坊様」と親しまれた湯治場山梨県の山間部、早川町に建つ慶雲館は1300年余りの歴史を誇り、2011(平成23)年にギネス認定された「世界最古の温泉旅館」である。

その発祥は705(慶雲2)年、藤原真人なる人物が源泉を発見したことだ。700年代という時代と「藤原」の名から、何となく想像がついた人も多いかもしれない。平安時代に権勢を誇った藤原氏の始祖であり、645(皇極天皇4)年に始まる大化の改新を率いた藤原鎌足、その長男が藤原真人である。

ことの起こりは次のように言い伝えられている。

学僧だった真人は現在の山梨県の山間部に住居を構え、地元の女性と共に家庭を築いていた。ある日、山に狩猟に出た折、湯川という川の岩間から吹き出る湯を発見し、ためしに湯に体を浸してみると、疲れも痛みもすっかり解消してしまった。

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