「抗体を持つ人」が増えても集団免疫ができない訳

「抗体を持つ人」が増えても集団免疫ができない訳

自然感染とワクチン接種で多くの人がコロナの抗体を持ったものの、いっこうに感染は収束しません。それはどういうことなのでしょうか(写真:Ryuji/PIXTA)

新型コロナウイルス感染症がパンデミックを起こしてから、はや2年が経過した。新たな変異株も発見され、わが国ではゼロコロナを目指すよりも、むしろ「コロナとどう向き合うか」にシフトしつつある。

このようななか、常に最新のエビデンスに基づいた情報を発信し続けるのが、免疫学の第一人者である宮坂昌之氏だ。同氏の新刊『新型コロナの不安に答える』から、新型コロナの現状を3回に渡ってお伝えする。今回は第1回。

日本ではオミクロン株による第6波はピークを超えたものの、国内の新規感染者数は4万人前後(2022年4月下旬)にとどまっており、完全収束からは程遠い状況です。

世界的にもみても、連日100万人新規感染者が出ており、世界の累計感染者数は5億人を超えました。世界の総人口は78億7500万人ですから、単純計算で6%以上が新型コロナに感染したことになります。

一方で、世界各地でワクチン接種は進んでおり、世界全体の累計接種回数は2022年4月20日までに114億9116万回を超えています。

これまで、人口の一定割合以上の人が抗体を持つと、感染症が流行しなくなる集団免疫の状態になると言われてきました。

しかし、自然感染とワクチン接種により、国民の大多数が新型コロナウイルスに対する抗体を持つ国が多数あるにもかかわらず、いっこうに感染は収束しません。

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