「がんでもおしゃれを諦めない」デザイナーの矜持

「がんでもおしゃれを諦めない」デザイナーの矜持

QOLデザイナーの中島ナオさんは、病気を抱える人にとっても、そうでない人にとってもおしゃれで使いやすい「ありそうでなかった」ものをデザインしてきた(写真:テライシマナ)

大人になって互いに違う場所に住むようになっても、長電話をしたり、ショッピングに出かけたり、ほかの家族や友達にはできない相談をしたり。喧嘩もするけど、なんでもいちばん言い合える関係。都内で「ニジノ絵本屋」という書店と出版業を営むいしいあやさんにとって、2歳下の妹でデザイナーの中島ナオさんはそんな存在だった。

20代の頃は一緒に合宿免許を取りに行ったし、互いの家も行き来した。いしいさんがSNSに中島さんの写真をタグ付けして載せると、「美的センスの塊」の中島さんは猛烈に抗議する。自分は勝手に「#社長姉妹」と、とんでもないタグを付けて2人の写真を投稿するくせに。

そんな妹との別れは突然やってきた。昨年4月20日、数週間後に39歳の誕生日を控えていてプレゼントを渡したばかりだった。

がんになっても"普通"の生活が送れるように31歳でがんと診断された中島さんは、34歳で他臓器への転移がわかってから、がんを公表。それまで教師を目指していたところから一転、自らデザイン会社「ナオカケル」を起業し、QOLデザイナーと銘打って活躍するようになる。

そのコンセプトは「がんをデザインする」こと。すなわち、がんになったとしても、病気にとらわれず、おしゃれをしたり、美味しいものを食べたり普通の生活が送れる社会を作ることを目指した。

例えば、「N HEAD WEAR」は抗がん剤などで髪や眉毛などが脱毛した時だけでなく、日常的にもおしゃれにかぶれる帽子だ。リラックスウェアの「Canae」は、胸元にふんだんにフリルをあしらったカットソーやワンピースのブランド。どれも下着をつける必要がなく、検査の時も着脱しやすいのに、見た目はとても華やかだ。

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