プーチンの脅威が覚醒させた「EUは結束すべきだ」

プーチンの脅威が覚醒させた「EUは結束すべきだ」

(写真:2022 Bloomberg Finance LP)

ロシア大統領ウラジーミル・プーチンがウクライナに仕掛けた戦争はとてつもない悲劇となっている。だが、そこに何らかの希望を見いだせるとするならば、それは西側におけるプーチンの盟友たちが信用を失いつつあるという点になるだろう。この一方的な戦争は、欧州の統合に新たな推進力をもたらす可能性が高い。

もちろん、今回の危機に乗じてポピュリストが支持を広げる展開も考えられなくはない。ウクライナの戦争で、欧州は経済的に苦しい立場に置かれることになった。エネルギー、日用品、食品の価格が高騰する中、欧州には1970年代以来の2桁インフレの可能性が浮上している。欧州連合(EU)の生活水準は、2008年の世界金融危機に続く混迷期よりも大きく低下することになるかもしれない。当時EUが取った欠陥だらけの対応は、有権者の多くに反EU的な感情を抱かせる原因となった。

求められるEUの信用回復ハンガリーの独裁的首相ビクトル・オルバンはすでに、こうした状況につけ込んで支持固めを進めたようにみえる。プーチンと古くから手を結んできたオルバンは、自国の選挙制度に不正に介入し、一貫して自らに有利な状況をつくり出してきた。オルバンは、国民に物価上昇の影響が及ばないよう食品やガソリンの価格を統制。これにより与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」は4月の総選挙で圧勝を収め、オルバンは連続4期目の続投を確実にした。

同様の動きが大きなトレンドとなるのを防ぐには、弱者支援、エネルギー供給の多様化、低コスト脱炭素技術に対する投資の加速を、EU全体で進める必要がある。政策担当者がまさにこうした姿勢を示しているのは明るいニュースだ。これらの取り組みが成功すれば、欧州の政治・官僚エリートの信用回復に大きな助けとなろう。

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