SMBC日興事件で露呈した「外部調査委員会」の限界

SMBC日興事件で露呈した「外部調査委員会」の限界

6月24日の記者会見で頭を下げるSMBC日興証券の近藤雄一郎社長(中央)(撮影:大澤誠)

162ページにわたるSMBC日興証券の相場操縦事件に関する調査報告書。だが、“事件の肝”である「買い支え」についてはほとんど説明できないままだった。

6月24日、SMBC日興は都内の本社で記者会見を開き、同日調査委員会から受領した報告書について説明した。SMBC日興は上場企業10社の株価を不正に操作したとして、証券取引等監視委員会と東京地方検察庁の調査や捜査を受け、2022年4月に法人としてのSMBC日興のほか、元副社長や元専務執行役員など6人が起訴されている。

大株主からSMBC日興が株式を買い取り、個人投資家などに売りさばく「ブロックオファー」と呼ばれる取引の背後で、自社の資金と口座を使う自己勘定で同じ銘柄を買い付け、株価が下がりすぎないようにしていた行為が、違法と疑われている。

報告書では新事実も判明役員の逮捕や起訴を受けて、SMBC日興は社外の弁護士などでつくる調査委員会を立ち上げた。委員長には仙台高裁長官を務めた河合健司氏が就いたほか、元公安調査庁長官の野々上尚氏と、T&K法律事務所の角谷直紀氏が委員を務めた。

公表された「調査報告書(開示版)」にはSMBC日興に対する厳しい文言が並んだ。「SMBC日興証券のガバナンス態勢は、全般において機能不全に陥っていた」「規範意識、高度の倫理観が社内全般において希薄だった」「(コンプライアンス部門が)異常な状況であると言わざるを得ず、看過できない」といった具合だ。

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