元警官のカレー店主がディズニーで下積みした訳

元警官のカレー店主がディズニーで下積みした訳

警察官からディズニーランドでのキャスト経験を経てカレー店主へ。彼の転身から読み解けることは?(写真:Fast&Slow/PIXTA、hamahiro/PIXTA、撮影:島大輔)

今や、学校を卒業したら就職した会社で定年まで働き、老後は悠々自適といった人生設計は成り立ちにくい。多くの人が長い人生の中で何らかの変化を求められるとしたら…。

25万部突破のベストセラー『定年後』の著者、楠木新氏がさまざまな著名人、そして一般の人たちが何に悩み、どうキャリアチェンジを果たしたのかに迫った新著『転身力』より、一部抜粋、再構成してお届けします。

ディズニーに学ぶ元警察官京都市内の中心地、三条室町にある欧風カレー「ガーネッシュ」の店主・吉野明彦さんは、少し変わった経歴を持つ。前職は警察官。京都府警で殺人や強盗事件など凶悪犯罪を担当する捜査一課にも所属して、その後は検視官として働いた。

転身するきっかけになったのは、東日本大震災の2週間後に宮城県石巻市に派遣されたことだった。遺体の検視のために20人の部下を率いて被災地に入った。50歳の時だ。余震もある。そのなかで部下の安全や健康にも配慮しながら、来る日も来る日も検視を進めた。石巻市は以前に警察学校の研修で教官として来たことがあったが、その時の記憶と街の様子があまりに違っていたので大きなショックを受けた。

京都府警に戻っても、ああいう検視のやり方でよかったのかといろいろ反省することもあった。そうしたなかで、「自分は人の悲しむ現場でしか仕事をしてこなかった」という思いもあって、「これからは違う人生もありかな」と考えたという。

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