「初代天皇の建国」はなぜ「九州」から始まったのか

「初代天皇の建国」はなぜ「九州」から始まったのか

神武天皇の東征はなぜ九州から始まったのでしょうか(写真:kinntyann07/PIXTA)

神話の大きな特徴は、世界や人間のはじまりを含め、さまざまな事柄の起源について語るところにあります。日本の神話は「古事記」「日本書紀」に記されており、国の成り立ち、在り方についてさまざまなことを示唆しています。

今回は初代天皇である神武天皇の建国がなぜ九州から始まったのか、宗教学者である島田裕巳氏の新著『教養として学んでおきたい古事記・日本書紀』から一部抜粋・再構成して解説します。

前回:学校で教えない「日本神話」現代にも影響力凄い訳

上つ巻、中つ巻、下つ巻の3巻から成る古事記では、中つ巻から日本書紀では巻3から神武天皇の話になっていく。そこで中心をなすのは「東征」の物語である。

神武天皇は日向(宮崎)を出発して東に向かい、大和国(奈良)に至ってそこに都を開く。東征について語るには、神武天皇が都よりも西のどこかにいなければならない。

大和の西ということでは、(国譲り神話の舞台である)出雲(島根)を出発点としてもさしつかえないはずだ。山陽道を通る必要があるということなら、出雲からいったん南に下り安芸国(広島)に寄ればいい。

隼人(南九州に住んでいた人々)を服属させたことを語る必要があったのかもしれないが、天孫降臨の地に選ばれたのは日向だった。そこにも出雲神話と同様に、現実の歴史が反映されている可能性もある。

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