英国王室が「手数料資本主義」の象徴である理由

英国王室が「手数料資本主義」の象徴である理由

エリザベス2世からチャールズ3世へと引き継がれた「王室属領」とは何か。複雑怪奇なイギリスの国制と、なお強い大英帝国の世界への影響力を探ります(写真:Chris Ratcliffe/Bloomberg)

2022年9月19日にエリザベス2世の国葬が行われ、チャールズ3世が国王となったイギリス。かつてイギリスは、世界にまたがる大帝国を形成していた。その原動力とは何だったのか。手数料と物流という枠組みから世界史を捉えなおし、覇権国家の成立条件について論じた『手数料と物流の経済全史』を上梓した経済史研究者の玉木俊明氏が解き明かす。

イギリスの国制は本当に複雑イギリスの正式名称は、The United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandである。これは、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と訳される。ここから、イギリスは、王国が連合してできた国であることがわかる。

イギリスの国旗であるユニオンジャックは、イングランド、スコットランド、そしてアイルランドの国旗が組み合わされたものなのである。イギリスという国の成り立ちの複雑さが、国旗からもご理解いただけよう。

さらにそれ以外の点からも、イギリスがいかに奇妙な国であるかがおわかりいただける実例をご紹介しよう。ご存じのように、イギリスの皇太子はPrince of Walesと言いう。これを直訳すれば、「ウェールズ皇太子」である。しかもそういう人物が、スコットランドの伝統であるタータンのキルトを身にまとっているのだ。それは、この前亡くなったエリザベス2世の葬儀の少し前の画像で、現国王のチャールズ3世がタータンのキルトを着ている姿を覚えている読者もおられよう。

こうした事実は、イングランドが、併合した他国を懐柔しようとしてきた歴史に由来する。イギリスとはイングランドを中心とした他の国々(正確には以前には国家であった地域)が結合した複合国家なのである。

歴史学では、このような複合国家は、近世の特徴だとされる。しかし現実には、ヨーロッパ諸国の多くは現在もなお基本的に複合国家であり、その代表例がイギリスだと言うべきであろう。しかもイギリスは、今なお旧植民地との関係が非常に強く、コモンウェルスが存在する。

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