マクロン勝利で陳腐化する「右派対左派論争」

マクロン勝利で陳腐化する「右派対左派論争」

マクロン氏の大統領就任で、「右派対左派」の対立は終わりを迎えるのか(写真:Philippe Wojazer/ロイター)

左派対右派の分類はもはや現代政治にそぐわない──。先日のフランス大統領選挙について、多くの評論家がそう指摘した。選挙に勝ったエマニュエル・マクロン氏が、自身は右派でも左派でもないとうたっているからだ。

だが、極右・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首から見れば、社会党のオランド政権で経済相だったマクロン新大統領は左派だ。

■伝統的左派の概念は過去のものに

ドナルド・トランプ米大統領と同様、「一般大衆の声」を代表して選挙を戦ったルペン氏。一方のマクロン氏は、米民主党大統領候補だったヒラリー・クリントン氏と同じく、金融界やエリートの操り人形として描かれた。今も左派と右派に何らかの意味があるとしたら、それは何なのだろうか。

20世紀の終盤にかけて何らかの変化が起きたのは間違いない。左派政党は労働者階級の支持基盤を失い、理想主義的インテリと労働組合の連携は、知識層、非白人、フェミニスト、同性愛者らによる「虹」の連帯に取って代わられた。

一方、米国の共和党に代表される右派政党は、地方に住む低所得の保守層にリップサービスを行い、社会的偏見をあおりつつ、財界のために働いた。国際化、移民の自由といった、経済界を利する動きは、必ずしも中道左派政党の関心と対立するものではなかった。大企業は安い労働力の恩恵を受け、左派政党は多文化主義を歓迎した。

抑圧されたプロレタリアートの利益を代弁し、大企業やブルジョワに対抗するという伝統的左派の概念は、過去のものとなったのだ。

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