児童精神科医が語る「親の愛情不足」への誤解

児童精神科医が語る「親の愛情不足」への誤解

子どもに必要な「愛情」とはいったい何なのでしょうか(撮影:梅谷秀司)

共働き、核家族、ひとり親家庭の増加――。家族の形はここ数十年で大きく変わった。その一方で、家族が担う「べき」とされる役割の多くは昔から大して変わらない。だからこそ、時として家族は、課された役割の大きさに苦悩する。

共働きで子どもを満足に育てられないなら働かなければいい、ひとり親で育てられなければ離婚しなければいい、そもそも子どもを持たなければいい。そう考える人だっているかもしれない。けれども、人生はそう設計どおりに進まない。そこで生じる困難を「自己責任」とし、手を貸さない社会で生きるのは楽だろうか。

家族をより風通しの良い場所に変えていくことは、多くの人の可能性を広げることにもつながるだろう。

そこでこの連載では、変化した家族の実態に合わせて、家族の担う役割をより外部化、軽量化できないか、もしくは逆に、家族という共同体をより拡大できないかといったテーマのもと、専門家の方にお話を伺っていく。

初回の今回、お話を伺うのは、児童精神科医であり子どもの学習支援や、10代ママの子育て支援などを行うNPO法人PIECES代表の小澤いぶきさん。虐待や、児童養護施設の子どもたちなどさまざまなケースに接してこられました。

■「愛情」が何かわからずに皆悩んでいる

紫原 明子(以下、紫原):小澤さんにお話を伺いたいと思ったのは、私自身も、また周りの親達を見ても、親として子どもにどの程度愛情を注げば安心していいのか、その適量がわからずに苦悩することが多いと感じたからです。

私のある友人はフルタイムで働くワーキングマザーで、共働きなので収入もしっかりあります。それでも、シッターさんを雇ったりはせず、忙しい仕事が終わると毎日必ず手の込んだ料理を作り、子どもに食べさせ、ひととおり家事を終えた後で、残った仕事を片付けています。私は彼女ほどストイックにやれないけれど、肉体的な負担を押してまで彼女がそうする気持ちは、わからないではないんです。

続きは 東洋経済オンライン で

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