スペイン最高のシェフが「超僻地」を好む理由

スペイン最高のシェフが「超僻地」を好む理由

赤ピーマンを使ったスペインの伝統料理「ピキージョ」。スペイン最高峰のシェフが画期的な新手法でグルメ料理を大量生産、欧州に「食の革命」が起きている(写真:著者提供)

「限界集落」「高齢化」「人口減少」――。日本の地方について語るときは、とかく暗いイメージがつきまとう。だが「世界の潮流」は真逆だ。有能な若者や経営者ほど、むしろ人里離れた辺境(僻地)に向かい、むしろ辺境から新たな流れをつくり出している。建築家として世界各地を巡り、世界の最先端のまちづくりを研究している一般社団法人HEAD研究会の理事長、松永安光氏に話を聞いた。

■先進的な若者や企業ほど世界の辺境を重視する

ロンドン、パリ、ニューヨーク。これら世界の主要都市がつねに魅力的である理由の1つは、歴史的な街並みを残しつつ、それを大胆にリノベーション(再生)したうえでつねに新しい価値を加えていく力にあります。私は、こうした世界的な大都市のリノベーションによるまちづくりの様子を、仲間とともに取材し、2005年に『まちづくりの新潮流』(彰国社)という本にまとめました。

一方で、歴史的建造物の蓄積の乏しい辺境――いわゆる田舎町のまちづくりも、地域の「創生」や「再生」を実践するときの重要な課題です。そこで今度は、再び仲間と一緒に、世界各地の辺境のまちづくりの実態を調査・研究し、10年前に『地域づくりの新潮流』(同)を上梓しました。

幸い2冊とも好評を得て、今流行の地方創生の教科書として扱われるほどになりました。中国や韓国など海外でも同じように読まれています。ただ前著から10年。バージョンアップが必要だろうということで、今回は2年ほどをかけ、世界の最先端の地域再生の現場を取材してきました。

そこで感じたことは、若くて先進的な起業家ほど辺境に注目しているということと、その動きが地方創生の大きな力になっているということでした。ほんの少し前までは、有能な若者は、金融工学を駆使して大金を稼ぐマネーゲームの世界に向かっていました。しかし世界を見ると、もはや有能な若者の間で、それはトレンドではありません。彼らはいま辺境に向かっています。

続きは 東洋経済オンライン で

1

関連記事(外部サイト)