児童虐待の背景に「育児資源の不足」がある

児童虐待の背景に「育児資源の不足」がある

児童虐待が起こってしまう背景にあるものとは(撮影:梅谷秀司)

共働き、核家族、ひとり親家庭の増加――。家族の形はここ数十年で大きく変わった。その一方で、家族が担う「べき」とされる役割の多くは昔から大して変わらない。

親は子どもを守り育て、人格の土台を形成し、その言動に責任を持つ。もちろん愛情も育まなければならない――。ときに家族は、その課された役割の大きさに苦悩し、影響が子どもに向かうことも少なくない。

家族がつらい――その状況を変えるすべはあるのか。前回記事(児童精神科医が語る「親の愛情不足」への誤解)に続き、児童精神科医であり、子どもの学習支援や、10代シングルマザーの子育て支援などを行うNPO法人PIECES代表の小澤いぶきさんにお話を伺う。

■親は子どもの専門家

紫原 明子(以下、紫原):そもそも、小澤先生の勤務されている児童精神科には、どういった子どもたちが受診しにくるんでしょうか。

小澤 いぶき(以下、小澤):そうですね、学校に行かなくなった子や意欲が湧かない子、自分や他人を傷つけてしまう子など本人の困りごとも、願いもその子それぞれです。前回(児童精神科医が語る「親の愛情不足」への誤解)お話ししたように、子どもの情緒面の発達は、特定の大人とかかわりあってきたかどうかと深く関係しています。ですから、困難さの背景には、虐待や、不適切な養育を受けている子どもも少なくありません。また、そういった困難が1つだけでなく、たくさん積み重なっている場合もあります。

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