「親がやらせたいこと」に潰される子どもたち

「親がやらせたいこと」に潰される子どもたち

子どもに嫌々やらせてもあまり伸びないどころか、悪影響も…(写真:kikuo / PIXTA)

自分がやりたくないことを、嫌々やらせられている子どもがたくさんいます。いまだに「子どものためになるなら本人が嫌がってもやらせるべき」と考える親が多いからです。そして、子どもが嫌々ながらでもやっている姿を見て大いに満足します。

でも、このとき子どもは大して伸びていません。それどころか、もっと大いに伸びることができたはずの時間とエネルギーを無駄遣いしているのです。なぜなら、子どもがいちばん伸びるのは、自分がやりたいことや好きなことに熱中しているときだからです。たとえそれが親から見ると価値の低いことであってもです。これは、小学校の教師として数多くの子どもたちに接し、その後も教育評論家としていろいろな実例を見てくる中で到達した結論です。今回は3つの実例を紹介します。

■絵を描くのが大好きだったAさん

小学5年生の女の子・Aさんは絵を描くのが大好きでした。でも、お母さんは「高学年になったんだから、絵なんかよりもっと問題集をやりなさい」と言っていました。そんなある日、私は学級懇談会で子どもが好きなことを応援することの大切さを話しました。すると、お母さんは大いに納得してくれて「そんなに絵が好きなら応援しよう」と決意しました。それからは、本物の絵を見に美術館に連れて行ったり、図書館で絵の本を借りたりなど、いろいろ応援し始めました。

そして、あるとき、お母さんは色数の多い色鉛筆を買ってあげました。これが非常によかったようで、Aさんは絵を描くのがますます好きになり、ぐんぐん上達しました。やがて、クラスメートたちが「絵がうまいね」と褒めてくれるように。ある日、1人のクラスメートに頼まれて猫の絵を描いてあげたところ、それが評判になり、休み時間になると絵を描いてもらいたい子たちがAさんの周りに集まるようになりました。

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