「ちゃんと議論できない」日本社会への処方箋

「ちゃんと議論できない」日本社会への処方箋

「参加者同士が互いに否定・攻撃・論破することのない学習空間をつくる」2人の狙いとは?(撮影:梅谷 秀司)

日々、インターネット上に流れるニュースや話題に対して、一般のユーザーがコメントを述べたり、議論を戦わせたりする場面をよく目にするようになった。しかし、その多くがどこか攻撃的で、他者をまるで許容しない雰囲気を漂わせる。白か黒か、賛成か反対か、正解か不正解か――。激しく衝突して、相手を打ち負かすことに全力を傾けている人が少なくない。

そんな事態を憂い、元NHKアナウンサーでジャーナリスト/キャスター、市民投稿型ニュースサイト「8bitNews」の主宰も務める堀潤氏と、政策プロデューサーで慶應義塾大学特任准教授の若新雄純氏が運営している「論破禁止ゼミ」。いったいどんな狙いがあるというのか。

■成熟したアメリカの「議論の仕方」

――今年2月に堀さんと若新さんは、「論破禁止」をルールにしたゼミを開設されました。「参加者同士が互いに否定・攻撃・論破することのない学習空間をつくる」ことを重視しているそうですが、そもそも「論破禁止ゼミ」はどんな経緯で開設されたのでしょうか。

堀潤(以下、堀):よく「日本人は議論がヘタだ」と言われますよね。ニュース番組の制作をしていると、確かにそれを痛感します。

たとえば「原発」について議論したとき、「脱原発」か「原発推進」のどちらのスタンスにいるかはみんな強く語れる。でも、具体的な実効策についてはなかなか議論が発展しない。

賛否を問う論争に夢中になっているうちに、社会でまた別の議論すべき問題がでてきて、当初の原発問題はうやむやになってしまう。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)