日本で報じられる世界の姿を鵜呑みにするな

日本で報じられる世界の姿を鵜呑みにするな

視聴者の想像と現実とはズレていることも多い(写真:タカス / PIXTA)

2016年、イギリスの欧州連合(EU)離脱が国民投票で決まり、ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に当選した。いずれも当初予測された結果とはならず、メディアは、自国第一主義やポピュリズム(大衆迎合主義)の伸長を、“右傾化”というキーワードであおった。

しかしその後のフランス大統領選挙など、ヨーロッパ各国の選挙では、極右の躍進は抑えられている。“右傾化”に揺れる世界、その複雑な背景を、ジャーナリストの池上彰氏と増田ユリヤ氏の共著『なぜ、世界は“右傾化”するのか?』の一部を抜粋しながら見ていこう。

■“右傾化”に結びつく既存の政治への忌避感

「フランスで取材していると、これまでの右派や左派といった打ち出し方より、今解決を求められている問題に対して、それを改善するための政策をどれだけ考え、実際に動いてくれるかどうかが、候補者を選ぶためのポイント」「その多くの人の感覚を理解しないで、メディアの側は今までの枠組みの中で報道し続けている」(増田氏)

これは、アメリカ大統領選挙でトランプ氏の支持者たち、そして民主党の大統領候補の座を最後までヒラリー・クリントン氏と争ったバーニー・サンダース氏の支持者たちがよく口にした「既存の政治家による手垢のついた政治はもういらない」という言葉と重なる。この意識は、極右への支持にもつながり、既存の政治勢力への否定にもつながるのだ。

フランス大統領選挙も、この有権者たちの考え方が大きく働いた。

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