グローバリゼーションは格差をもたらしたか

グローバリゼーションは格差をもたらしたか

グローバリゼーションの流れをとめることで、誰が幸せになり、誰が不幸になるのか(写真:Rawpixel / PIXTA)

■世界は、グローバリゼーションの何を恐れている?

グローバリゼーションにブレーキがかかり始めた。欧州での右派政党台頭、トランプの保護主義的政策だけでなく、これまで移民を優遇してきたシンガポールやオーストラリアなどでも就労ビザの厳格化が進み、国境を隔てる壁は日々高くなっている。世界は、グローバリゼーションの何を恐れているのか。絶望的なほどの格差を生み出した真犯人は、グローバリゼーションなのか。グローバリゼーションの流れをとめることで、誰が幸せになり、誰が不幸になるのか。

意外に思われるかもしれないが、1988年から2008年におけるグローバリゼーション最大の「勝ち組」は中間層だった。ここでいう中間層とは文字通り、世界の所得分布で50パーセンタイルに位置する人々のことを指す。20年で実質所得を大きく伸ばしたこの中間層の多くは中国、インドやタイなどに暮らすアジアの新興経済圏の人たちであり、日本のような先進国に暮らす人のほとんどは当てはまらない。グローバリゼーションから最も多くの恩恵を受けたこの層の勃興は、産業革命以降続いていたグローバルな不平等の拡大に歯止めをかけた。

グローバリゼーションでの負け組は、世界の所得分布で75〜90パーセンタイルに位置する、OECD加盟諸国における中間・下位中間層である。この人たちがグローバリゼーションから得た利益はほぼゼロ。実質所得は全く成長していない。

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