「失敗国家」北朝鮮には、対話と交流が必要だ

「失敗国家」北朝鮮には、対話と交流が必要だ

処刑された故・張成沢氏を通して北朝鮮をみるとどうなるか(photo by Han Myung-Gu/Getty Images)

核兵器やミサイル開発を継続し、北東アジア情勢を混乱させる北朝鮮。そんな北朝鮮の実態や政治体制がどう動いているかについて、改めて知る時期に来ている。そのような状況の中、北朝鮮研究では世界的大家として知られる研究者による書籍が出版された。日本大使の経歴を持つ羅鍾一(ラ・ジョンイル)氏が書いた『粛清の王朝・北朝鮮―金正恩は、何を恐れているのか』(ムーギー・キム翻訳、東洋経済新報社)がそれだ。かつて「権力のナンバー2」とされていたものの、2013年末に処刑された張成沢(チャン・ソンテク)の人生をもとに、北朝鮮の指導層や膨大な数の脱北者、高級幹部への綿密な取材を通して、北朝鮮の権力構造やその機能などが詳細に描かれている。訪日した羅鍾一氏に、北朝鮮の動向や見方について聞いた。

――『粛清の王朝・北朝鮮』の日本語版への序文で、「北朝鮮は極めて特殊な体制とはいえ、継続的な対話と交流を続けるべき」と書かれました。核やミサイル開発で国際的な制裁を強めよという声が高まる一方で、北朝鮮との対話・交流がなぜ必要と述べられるのでしょうか。

羅鍾一(以下、羅):はっきり言えば、北朝鮮は「失敗した国家」です。すべての面で失敗した国だと言ってもいい。とはいえ、北朝鮮が崩壊すれば、現状以上の危機が訪れることになります。ましてや、戦争となれば、相当深刻な危機が訪れます。北朝鮮は失敗した国であるがゆえに、今後生じるさらなる失敗が東アジアの周辺国にも多大な問題と危機をもたらすことを、認識したほうがいいでしょう。

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