なぜ「定年後」の男性は悲惨なことになるのか

なぜ「定年後」の男性は悲惨なことになるのか

定年後を豊かに過ごすためのヒントとは?(撮影:今井康一)

定年後の過ごし方について、具体的に考えているだろうか? 「まだまだ先のことじゃないか」と、働き盛りの読者は思うかもしれない。しかし、定年後の準備を怠って、仕事ずくめの日々を送っていると、悲惨な老後を送ることになりかねないのだ。ベストセラー『定年後』の著者である楠木新氏に、会社人生、そして定年後を豊かに過ごすヒントについて聞いた。

■定年後に直面する会社生活とのギャップ

――今年4月に刊行された『定年後』(中公新書)が10万部を突破しました。定年後の過ごし方に関心が集まっている理由を、どのように見ていますか。

私は企業から依頼を受けて、50歳前後の社員に対し、「どのようなセカンドキャリアを描くか」についての研修をよく行っています。そこで感じるのは、多くの人が定年後のことを考えていないという事実です。定年が60歳の誕生日なのか、60歳になった年度末なのか知らない人すらいました。

会社にいれば仕事があり、人との繋がりもあり、定期的に給料ももらえます。守られて日々を過ごしているので、先のことまで考えている人は少ないのです。けれど、意識すらしていないレベルかもしれませんが、「いつかは会社を離れないといけない」という漠然とした不安はあるもので、そこに本書のテーマが刺さったのかと思いますね。

――漠然とした不安とは、具体的にどういったものでしょう。

よく言われるのは、老後にいくら必要か、もらえる年金はいくらか、貯蓄はいくらか……などおカネに関する不安です。

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