「働かないおじさん」だって、心底悩んでいる

「働かないおじさん」だって、心底悩んでいる

長時間労働に、日本独特のメンタリティである「根性主義」や「努力主義」が刷り込まれている(撮影:沼田 学)

元400mハードル選手の為末大氏と中原淳・東大准教授とが「転機」について語る『仕事人生のリセットボタン――転機のレッスン』(ちくま新書)。いったい、どのようにすれば「働かないおじさん」を大量に生み出す日本企業の悲劇を止めることはできるのだろうか。

■「働かないおじさん」だってつらい

中原:少子高齢化の影響で、国全体で見ると、社会保障があまり期待できないのに、健康寿命だけは延びている。よって、みな、生活を自分で支えなくてはならない時間が長くなっているのです。具体的に言えば、年金支給開始年齢が引き上げられて65歳、70歳と上がっていくことが予想される。

これまでは60歳だった年金支給が少子高齢化になってきて65歳になった。じゃあ60歳から65歳までの間どうするのというと、年金は支給できない。だから企業に雇用を負担させよう、というふうに国は考えます。65歳まで働くことを従業員が希望したときに、企業は雇用延長しなければいけないという制度ができました。もちろん、企業側としても、手をこまねいて見ているわけにはいきません。定年を迎えた人にも働いて成果を出してもらわなければいけないし、その働きに応じて給与を変えていかざるをえないのです。

ただ、右肩上がりで給与を上げてきた日本の企業には、「降格」とかをやるのは腰がひける。なぜなら、降格する人としない人とをどのように選び、どのように個人に通知していけばよいかがわからないからです。

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