320万部「女性の品格」は、こうして生まれた

320万部「女性の品格」は、こうして生まれた

坂東眞理子氏の著書『女性の品格』は320万部の大ベストセラーになった(撮影:梅谷秀司)

井戸の手押しポンプはいくらレバーを下げても水が出ないときがあります。これはポンプの中に水がなくなり、ピストンが乾燥して機能しなくなり揚水できなくなるからです。そのようなときにはバケツを使ってポンプの上から水を流し入れて管内を満たせば解決します。ピストンを膨張させることによって、水をくみ上げることができるのです。

こうしたことから、ポンプに「水を流し入れること」を「誘い水」、あるいは「呼び水」といいます。上司というものは、このような「誘い水」にも似た助言をできなければいけない、と私は思っています。

■誘い水=適切なヒント

部下が壁にぶつかって悩んでいるとき、適切なヒントを出す。それによって、部下は「そういう方向で考えたらいいのか」「確かに上司のアイデアでやってみてもいいかもしれない」などと考える。そして、その先は部下が自主的に思案し、考案して仕事を完成させる。その「適切なヒント」が「誘い水」であり、上司たる者、その誘い水を出せなければいけないということです。

ヒントを出すこともせず、自分が部下に「誘い水」を向ける実力もないのに、ただ怒鳴りまくるとすれば、最低最悪の社長、上司と言わざるをえません。

そうであれば、答えを出したくなってしまうかもしれません。「そんなに悩んでいるならこうしなさい」「具体的にこういう結果を出しなさい」と言ってしまえば、すぐに解決するし、確かに手っ取り早い。

しかし、よほど急ぐ場合は別にして、部下を成長させることを優先するべきです。上司は、あえて「誘い水」でとどめておいたほうが、のちのち会社にとっても、なにより部下本人にとっても好ましいのです。その理由は明白です。答えを自分で考え出すことにより、「自分で考えること」、あるいは「自主自立の心構えが身に付くこと」になるからです。

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