韓国「伝統」の街が消滅に向かう再開発のワナ

韓国「伝統」の街が消滅に向かう再開発のワナ

骨董品店や古美術店が多いことで知られてきた韓国・ソウルにある街「仁寺洞(インサドン)」のメイン通り。近年はテナント料の上昇を受け、昔ながらの店が減りつつある(筆者撮影)

「あれっ、あの店はどうしたんだろう? ここはこんなお店だったっけ?」

ソウルの街を歩いていると、こんな風に思うことがしばしばある。
店がどんどん変わり、街の表情も短いスパンで移っていく。

■昔ながらのお店が姿を消してゆくソウル市内

例えば、ソウル市内の芸術大学がある街として知られる「弘益大学(弘大)」。隣接する大学街の「新村」からもアーティストが移り住み、人気のクラブやライブハウス、流行の先を行くおしゃれなカフェや飲食店、バーなどがぎゅっと集った街としてかつては若者のメッカだった。

もちろん、今でも若い世代には人気の場所だが、今の時代を切り取るような店はその周辺、さらにまた周辺へと移動していて、昔ほどの勢いは感じられない。

韓国でここ2、3年よく言われるのが、こうした「ジェントリフィケーション」問題だ。「ジェントリフィケーション」といえば、アメリカでの事例が代表的だ。

低所得者層が多く住む地域で、再開発や文化活動が始まる。そして、アーティストやスター、ミドルクラスが移住して街の再開発が進む。そこへ不動産関連の事業者が参入、地価が高騰して、もともと住んでいた人たちが転居せざるをえなくなる――。欧米でいわれる「ジェントリフィケーション」はざっとこんな現象をいうが、韓国でのこの言葉の使われ方は少し異なる。

韓国では、話題の店などができて、流動人口が生まれた地域に不動産関連事業者が入り、テナント料が高騰。

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