箱根駅伝を諦めた男たちが手にした「成功」

箱根駅伝を諦めた男たちが手にした「成功」

村島匠(左)も人気種目をあきらめて、「成功」をつかみつつあるアスリートの1人だ(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

キラキラした方向に引き寄せられるのは世の常かもしれない。皆が同じ方向を見ているわけではないが、世間の“人気”は偏っている。しかし、そこに才能のミスマッチが生まれることもある。本人はAで結果を残そうと頑張っているのに、実際はBのほうが向いている場合があるからだ。

筆者がメインで追いかけている陸上競技には、短距離、中距離、長距離、ハードル、競歩、跳躍、投てき、混成と多様な種目がある。だが、実際は花形種目である100mと駅伝につながる長距離(中学は3000m、高校は5000m)に人気が集中する。そして、両種目から徐々に“方向転換”していく選手もいる。高校生でいうと、インターハイ路線は各種目1校3名しかエントリーできないため、出場できる種目を選んでいるうちに、それが自分のメイン種目になっていくケースも少なくないのだ。

今夏のロンドン陸上世界選手権に出場する男子十種競技の中村明彦(スズキ浜松AC)と男子棒高跳びの山本聖途(トヨタ自動車)は中学で陸上部に入った当初は長距離だった。高校から現在の種目に本格挑戦して、世界大会につなげている。もし長距離にこだわっていたら、平凡な選手で終わっていた可能性が高い。そこで今回は人気種目をあきらめて、「成功」をつかみつつあるアスリートを紹介したいと思う。

■長距離から800mへ、規格外の種目変更

陸上の世界で箱根駅伝の人気はすこぶる高い。そのため多くの高校生ランナーが、関東の大学を志望している。

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