スパイダーマンが描く勧善懲悪ではない世界

スパイダーマンが描く勧善懲悪ではない世界

「スパイダーマン:ホームカミング」では、悪役が悪の道には染まる背景が丁寧に描かれているのが特徴だ ?Marvel Studios 2017. ?2017 CTMG. All Rights Reserved.

手のひらから蜘蛛の糸を自在に飛ばし、高層ビルの間を飛び回る「スパイダーマン」。マーベル・コミックを原作とするヒーロー映画シリーズ、6作目となる今回は『スパイダーマン:ホームカミング』では、15歳のヒーローが抱える葛藤や、誰もが共感できるような悪役が抱く憎しみなど、これまでになく、主要人物の心理描写にぐっと入り込むストーリー設定になっている。

ヒーローが身に着けるスパイダーマンの「パワースーツ」もハイテク化されたほか、蜘蛛の糸が使えない場面での戦闘場面を増やしたりと、アクションの見どころも多い。

監督に大抜擢されたのは、ユーチューブの動画作品などで注目をされ、長編の監督経験が少ない、若手のジョン・ワッツ監督(36)だ。原作ファンを自任しつつ、「これまでにないスパイダーマン作品」を目指したという。

■悪者は朝起きた瞬間突然なるものではない

そもそも、「悪役(ヴィラン)が大好き」という監督。今回の悪役、マイケル・キートン演じる「ヴァルチャー」はもとはといえば、ふつうの一般市民で清掃業者だった。スーパーヒーロー、つまり善玉のトニー・スタークから仕事を奪われたことで、悪の道へ入り込んでいく。善と悪とは何か、自分自身が同じ環境にいたら、どうなっていただろうと観客に考えさせるような場面設定だ。

――今回の悪役は悪の道に染まる背景が丁寧に描かれていて、台詞にも重みがありました。監督が描きたかった悪役とは?

「悪者は朝起きた瞬間に突然なるのではなく、ごく普通の人間が何らかのきっかけがあって、悪者になっていくのではないか。

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